サクララヴニールの精油は全製品(ブレンドオイル含む)が
HECT(Huiles Essentielles Chémo Typées)、ケモタイプが定義された精油です。
Huiles essentielles=フランス語でエッセンシャルオイルのことを指し、今日のアロマテラピーの世界ではこのHECTそれに類似した基準が主な精油の品質管理基準となっており、この二つはほぼ同じ基準を用いています。海外でも多くの精油販売店やアロマセラピストが、「良い精油を選びたければHECTそれに類似した基準で作られた精油を」と伝えています。
HECTによる品質管理基準
植物は、品種は元より、生育段階や土壌、蒸留部位により含有成分にはっきりとした差異が顕れることがあります。HECT(国際的な精油の品質管理基準の一つ)は、原材料の品種、生育要件、生育段階、地域、製品化までのトレーサビリティ、成分分析による化学種の特定、使用期限の表示などの基準を満たした精油に付与されます。
HECTでの管理事項
*植物の品種*植物の抽出部位
*植物の生育段階
*高品質の低圧水蒸気蒸留法か圧搾法で抽出
*100%天然
*天然物質であれ、精油に一切の合成がない(屈折率や比重、旋光度テストその他のテストで確認)
*100%純粋(成分カットなし、不酸化、不脱脂)
*着色や脱色がされていない
ケモタイプ(化学種)とは何か?
ケモタイプには、2つの意味がありますので、それぞれ説明してまいります。その前に、生物や植物の「学名」についてご説明させていただきます。
生物や植物には二名法により世界共通の標準名称である「学名」がラテン語で付けられています。それぞれの国で名付けられる一般名はその国(あるいはその言語圏)でしか通用しませんし、一般名は種小名が省略した形で付けられていることが多いので、どの植物、生物のことか分らないことも多いです。
しかし学名は、全世界どの国でもどの生植物のことなのかか明確に判別出来る、世界共通の名称です。
学名は、「属名」+「種小名」という形で付けられています。
例えば人間の学名は「ホモ・サピエンス」と言います。属名がHomo、種小名がsapiensです。
ホモ・サピエンスの一般名は「人間」、「Human」など、国によってバラバラですが、「ホモ・サピエンス」と言えばどの国でも人間のことだと判別出来ます。
例)一般名:真正ラベンダー、薫衣草、True Lavenderなど →属名:Lavandula 種小名:angustifolia 例)一般名: ユーカリ・ラディアタ →属名 : Eucalyptus 種小名 : radiata 例)一般名: ユーカリ・グローブルス →属名 : Eucalyptus 種小名 : globulus |
同じユーカリ属であっても、ユーカリ・ラディアタとユーカリ・グローブルスは成分構成や香りが違い、効能も同じではありません。ユーカリ・ラディアタ精油はすっきりとした香りですが、ユーカリ・グローブルス精油はユーカリ・ラディアタ精油に比べて重みのある香りです。
なので、精油を購入する際には種小名も確認して購入する必要があります。
ここまでお伝えしましたところで、ケモタイプについてご説明させていただきます。
ケモタイプ①ー生育要件により成分が異なる精油ー
エッセンシャルオイルの持つ芳香成分とは、植物が生存力を高めるために、気温や気圧、降雨量、虫害など、様々な周囲の環境に適応しようと植物内で化学合成した成分です。
植物の種類ごとに合成される成分はだいたい決まっているものの、原料植物の生育要件(日照、気候、土壌組成、標高など)はそのエッセンシャルオイルの生化学的組成(成分)に影響を与え、植物学的には同じ植物に分類されている精油でも芳香成分の含有量が違いますので、GCMS分析によって成分を確認し、エッセンシャルオイルの持つ特性成分を確認する必要があります。
ローズマリーは約150種存在する
ローズマリーRoesmarinus officinalisの成分例 ●コルシカ産:ベルべノンが特徴成分で肝臓に良い α-pinène 20-40%、1.8 cinéole 5-15%、Bornyl Acetate 5-14%、Vervenone2-8% ⇒販売名:ローズマリーBS ベルべノン ●モロッコ産:1,8シネオールが特徴成分で呼吸器に良い α-pinène4-12%、1.8 cinéole 40-50%、Camphre 10-15% ⇒販売名:ローズマリーBS 1,8シネオール ●スペイン産:カンファーが特徴成分で、筋弛緩効果があるが刺激が強い α-pinène 10-20%、1.8 cinéole (oxyde) 5-15%、Camphre 15-20%、Vervenone1%未満 ⇒販売名:ローズマリーBS カンファー |
といったように、植物学的に同種の植物で二名法でも同一名であるにもかかわらず育った環境の違いによって著しく成分構成の異なる精油を、ケモタイプの精油と呼びます。
タイム精油(タイム・チモールやタイム・リナロール)は、両方が二名法において「Thymus vulgaris」と同じなのでケモタイプの精油ですが、ユーカリ(ユーカリラディアタ、ユーカリグローブルス)などは種小名が違いますので、ケモタイプの精油には挙げられません。
ケモタイプ②ー成分分析がされた精油ー
アロマテラピー業界では、成分分析を行い、含有する成分が明確にされたエッセンシャルオイルのことをケモタイプ精油と呼んでいます。
その中でも特に、生育要件をはっきりさせた品質管理を行っている精油に対してHECTマークを付けています。HECTは特定の認証機関が世界各地にあるわけではないため、試験や調査を経て認証を受けるものではなく、それぞれのメーカーがその責任と正直さ誠実さによって付けています。