精油の国際的管理基準・HECT+α
サクララヴニールの精油は全製品(ブレンドオイル含む)が、
HECT(Huiles Essentielles Chémo Typées)、ケモタイプが定義された精油です。
Huiles essentielles=フランス語でエッセンシャルオイルのことを指し、今日のアロマテラピーの世界ではこのHECTかHEBBD(R)が主な精油の品質管理基準となっており、この二つはほぼ同じ基準を用いています。海外でも多くの精油販売店やアロマセラピストが、「良い精油を選びたければHECTかHEBBD(R)基準で作られた精油を」と伝えています。※HEBBD(R)、EOBBD(R)は(株)ナチュールビヴァン様の登録商標です。
HECTによる品質管理基準
植物学的に以下の項目が明確に管理されています。
- 植物の品種
- 植物の抽出部位
- 植物の生育段階
- 高品質の低圧水蒸気蒸留法か圧搾法で抽出
- 単一の植物の蒸留
- 100%天然
- ロットごとの成分分析により特性成分が明確(ケモタイプが定義)
- 天然物質であれ、精油に一切の合成がない(屈折率や比重、旋光度テストその他のテストで確認)
- 100%純粋(成分カットなし、不酸化、不脱脂)
- 着色や脱色がされていない
- 製造場所、蒸留年月日の管理
独自の基準を追加
- 有機もしくは残留農薬試験に合格した精油のみ
- ISO取得機関の精度の高いGCMS分析にて成分を99.5%以上を確認
- 日本入荷後にも再度、成分分析を行い、製造元提供の成分分析表と照らし合わせ大きなずれが無いかを確認
ケモタイプ(化学種)とは何か?
ケモタイプには、2つの意味がありますので、それぞれ説明してまいります。その前に、生物や植物の「学名」についてご説明させていただきます。
生物や植物には二名法により世界共通の標準名称である「学名」がラテン語で付けられています。それぞれの国で名付けられる一般名はその国(あるいはその言語圏)でしか通用しませんし、一般名は種小名が省略した形で付けられていることが多いので、どの植物、生物のことか分らないことも多いです。
しかし学名は、全世界どの国でもどの生植物のことなのかか明確に判別出来る、世界共通の名称です。
学名は、「属名」+「種小名」という形で付けられています。
例えば人間の学名は「ホモ・サピエンス」と言います。属名がHomo、種小名がsapiensです。
ホモ・サピエンスの一般名は「人間」、「Human」など、国によってバラバラですが、「ホモ・サピエンス」と言えばどの国でも人間のことだと判別出来ます。
例)一般名:真正ラベンダー、薫衣草、True Lavenderなど →属名:Lavandula 種小名:angustifolia 例)一般名: ユーカリ・ラディアタ →属名 : Eucalyptus 種小名 : radiata 例)一般名: ユーカリ・グローブルス →属名 : Eucalyptus 種小名 : globulus |
同じユーカリ属であっても、ユーカリ・ラディアタとユーカリ・グローブルスは成分構成や香りが違い、効能も同じではありません。ユーカリ・ラディアタ精油はすっきりとした香りですが、ユーカリ・グローブルス精油はユーカリ・ラディアタ精油に比べて重みのある香りです。
なので、精油を購入する際には種小名も確認して購入する必要があります。
瓶や箱に学名や品種が書かれていてもその中身が学名通りの精油ではないこともありますが、サクララヴニールの精油は、抽出する材料調達する時から必ず植物の学名や品種(亜種や変種など)などを見分けています。
ここまでお伝えしましたところで、ケモタイプについてご説明させていただきます。
ケモタイプ①ー生育要件により成分が異なる精油ー
エッセンシャルオイルの持つ芳香成分とは、植物が生存力を高めるために、気温や気圧、降雨量、虫害など、様々な周囲の環境に適応しようと植物内で化学合成した成分です。
植物の種類ごとに合成される成分はだいたい決まっているものの、原料植物の生育要件(日照、気候、土壌組成、標高など)はそのエッセンシャルオイルの生化学的組成(成分)に影響を与え、植物学的には同じ植物に分類されている精油でも芳香成分の含有量が違いますので、GCMS分析によって成分を確認し、エッセンシャルオイルの持つ特性成分を確認する必要があります。
ローズマリーは約150種存在する
ローズマリーSalvia rosmarinusの成分例 ●コルシカ産:ベルべノンが特徴成分で肝臓に良い α-pinène 20-40%、1.8 cinéole 5-15%、Bornyl Acetate 5-14%、Vervenone2-8% ⇒販売名:ローズマリーBS ベルべノン ●モロッコ産:1,8シネオールが特徴成分で呼吸器に良い α-pinène4-12%、1.8 cinéole 40-50%、Camphre 10-15% ⇒販売名:ローズマリーBS 1,8シネオール ●スペイン産:カンファーが特徴成分で、筋弛緩効果があるが刺激が強い α-pinène 10-20%、1.8 cinéole (oxyde) 5-15%、Camphre 15-20%、Vervenone1%未満 ⇒販売名:ローズマリーBS カンファー |
といったように、植物学的に同種の植物で二名法でも同一名であるにもかかわらず育った環境の違いによって著しく成分構成の異なる精油を、ケモタイプの精油と呼びます。
タイム精油(タイム・チモールやタイム・リナロール)は、両方が二名法において「Thymus vulgaris」と同じなのでケモタイプの精油ですが、ユーカリ(ユーカリラディアタ、ユーカリグローブルス)などは種小名が違いますので、ケモタイプの精油には挙げられません。
ケモタイプ②ー成分分析がされた精油ー
アロマテラピー業界では、成分分析を行い、含有する成分が明確にされたエッセンシャルオイルのことをケモタイプ化精油と呼んでいます。
その中でも特に、生育要件をはっきりさせた品質管理を行っている精油に対してHECTマークを付けています。HECTは特定の認証機関が世界各地にあるわけではないため、試験や調査を経て認証を受けるものではなく、それぞれのメーカーがその責任と正直さ誠実さによって付けています。