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皆様へ:情報使用上のお願い

​この基礎知識の情報は、正確さに関して注意を払っておりますが、あくまで情報提供であり、ここに記載の情報の取り扱いは皆様の自己責任でお願い致したく存じます。 

Aromatherapyの語源は、芳香という意味を持つaromaと、治療や療法を示すtherapyの組み合わせです。アロマセラピーと呼ばれることもあり、どちらも同じ意味です。

 

A. 水蒸気蒸留法

精油を製造する際には、ほとんどの精油が水蒸気蒸留法にて抽出されています。まず水を沸騰させ、その水蒸気を大量のハーブに通し、微細な精油成分を含んだ状態の水蒸気を水の入ったタンクの中を通して急速に冷やすことで、芳香蒸留水(ハーバルウォーター)と、その上に浮く微量の精油という形に分離されます。

ですが、水蒸気蒸留法を使ってハーブから抽出すれば必ず高品質な精油が抽出出来るわけではありません。

芳香植物には数十~百数十種類もの「芳香分子」が含まれていますが、それらは分子量も違い、水蒸気に乗って抽出されるのに数分水蒸気を当てるだけで良い芳香成分もあれば、1時間以上かけて高温の水蒸気を当てないと抽出されない成分もあります。

​また、品質の良い精油を製造するために水蒸気を直接当てない構造の分離釜を使用する必要があります。以下の1つ目の画像は分離窯、2つ目の画像は直接蒸留窯です。

 

 

directdest.jpeg(左図:直接蒸留窯)

精油を芳香植物から抽出する際には、上記の図のように水を火で熱して沸騰させ水蒸気を発生させる釜と、芳香植物の入っている釜と別である必要があります。そうでないと圧力の調節が細かく出来ず、成分の抽出に偏りが出来てしまい、抽出されない成分や抽出量が減る成分が発生します。サクララヴニールの精油はすべてそのような分離窯を使って完全蒸留にて製造されています。

同じ原料を使ったとしても、蒸留窯の形式が違えば、成分が全然違う精油が出来上がるのです。直接水蒸気を当てる簡易窯を使用すると、抽出される成分量が圧倒的に少なくなってしまいます。

 

B. 圧搾法

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オレンジやレモンなどの柑橘系の果皮を圧搾して精油を得る方法で、ぎざぎざになっている板の上をごろごろ転がして、果皮の外側の、粒状に見える部位(分泌嚢、油室とも言う)に含まれるエッセンスを外に出します。

本来はこの方法で作られた物は厳密にはエッセンシャルオイルではなく、エッセンスと言い、水蒸気蒸留法で抽出されたものをエッセンシャルオイルと言います。

​当店の精油はすべて水蒸気蒸留法か圧搾法の精油のみです。

 

その他の抽出方法

メディカルアロマの精油では上記のいずれかを使用しますが、他の抽出方法も参考に記載致します。

C. 溶剤抽出法(アブソリュート)

 ヘキサンやベンゼンなどの有機溶媒に原材料を浸して、原材料に含まれる精油成分とワックス成分が抽出され、固まります。有機溶媒を除去した後、エチルアルコールに精油成分のみを抽出した後、アルコールを揮発させることで精油だけを残します。ローズやジャスミン、ネロリなど収油率の低い高価なオイルによく使われます。欠点としては、有機溶剤が残留している可能性があることです。ローズやネロリは水蒸気蒸留法でも抽出できますが、ジャスミンはこの方法でないと抽出出来ないそうです。

  

D. 超臨界流体抽出法(エクストラクト)

 二酸化炭素などの液化ガスに芳香成分を吸着させる方法ですが、費用が高額となります。

    

E. レジノイド

 花以外の有機物を、炭化水素溶剤を使って抽出します。フランキンセンスやベンゾイン、ミルラなど樹脂(レジン)系の精油の抽出に使用されることがあります。

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いくつかの精油は抽出直後ではなく、数か月~数年ほど熟成されてから出荷されます。その熟成期間を、「安置期間」と言います。蒸留したばかりの精油の芳香分子は安定していない為、蒸留してから少しだけ酸素を入れて成分を落ち着かせるためです。抽出したばかりが良いというものばかりではありませんし、まったく酸化が起こっていないほうが良いわけでもありません。もちろんこれは精油の種類によります。

サンダルウッドのように何十年経ってから成分分析をしても劣化しておらず、むしろ熟成されて深みが増す精油もあります(使用期限はご参考までに)。

安置期間が終わった精油はしっかりとキャップされ、出荷されます。